【整備】CANON LENS FL 135mm F3.5 (Serial No. 111936)

今回は CANON LENS FL 135mm F3.5 を整備しました。

■外観

■機構

  • フォーカス調整機構:整備済み(※ヘリコイドにグリスを追加しフォーカス調整ダイヤルの重さを調整しました)
  • 絞り羽根調整機構 :問題なし
  • レンズフィルタ装着:整備済み(フィルタ枠の軽い打ち身を矯正しました)
  • 自動絞り機構   :未確認
    ※動作検証用のカメラ機材を持ち合わせていないためカメラに装着した連動確認は出来ていません。自動絞り機構を手動で動作させた限りでは正常に動作していると思われます。

■光学系

  • カビ・ちり・汚れ:除去済み(後玉にカビ痕あり)
  • くもり     :なし
  • キズ      :なし
  • バルサム切れ  :なし
  • コーティング劣化:なし

※「なし」の項目について微細なものの見落としがある可能性がありますが、ご了承ください。
※上記詳細は以下の整備記録をご確認ください。
※上記状況について実写テストを行いました。実写テストにおいては撮影への明確な影響は見られませんでした。

まずはレンズの状態をチェックします。主に後玉側にカビと汚れが付着しています。
後玉側のレンズを整備するためには鏡筒からレンズユニット取り外す必要があります。レンズユニットの取り出しに先立ちドライバーを使ってマウント固定用リングとマウントカバーを取り外します。マウント固定用リングを取り外す際には銀色のネジの内部に仕込まれている、リングをオープンした時のクリック感を出すための小さなネジとベアリングを紛失しないよう気を付けます。
フォーカス調整ダイヤルを無限遠に合わせ、レンズユニットを固定しているプラスチック製の筒型ネジをカニ目レンチを使って取り外し、レンズユニット全体を鏡筒から取り出します。
後玉を固定しているリングをカニ目レンチで取り外し、後玉側のレンズを取り出します。後玉側のレンズは1枚です。このレンズは絞り羽根側に膨れた形状をしています。
レンズには一面にカビと汚れが付着しています。レンズクリーナーとクロスで丹念に磨き、カビ痕が残ってしまいましたがかなりの量のカビと汚れを取り除きました。カビ痕の撮影への影響は実写テストで確認します。
レンズユニット内部を清掃し、レンズを組み込み後玉側のレンズ整備は終了です。
このレンズはフォーカス調整ダイヤルがやや重めとなっていましたので、レンズユニットを組み込む前にヘリコイドの整備を行います。ヘリコイドにクリーニング剤を注入するとともに低粘度のグリスを塗布し、フォーカス調整ダイヤルの重さを調整しました 。
レンズユニットと鏡筒内部を清掃し、レンズユニットを組み込みます。
レンズカバーとマウント固定用リングを取り付けます 。
続いて前玉側のレンズを整備します。レンズの先端にある芋ネジをはずしフィルタ枠を回転させ、前玉群レンズユニットを取り出します。
カニ目レンチを使ってレンズユニットから絞り羽根側のレンズを取り出します。巨大な合わせレンズです。
ゴム治具で前玉1枚目のレンズを取り出します。レンズは2枚構成です。分解したレンズユニットのケースと化粧リング、レンズ押さえリングは中性洗剤で洗浄しておきます。
1枚目のレンズです。細かいカビと汚れが付着しています。中性洗剤で洗浄後にレンズクリーナーとクロスで清掃し、綺麗な状態にすることができました。
2枚目のレンズです。細かい汚れが付着しています。こちらもレンズクリーナーとクロスで清掃し、綺麗な状態にすることができました。
洗浄しておいたレンズユニットケースにレンズを組み込みます。
鏡筒内部を清掃して前玉群レンズユニットを組み込み、前玉側の整備は終了です。
最後にレンズの外側を清掃して整備完了です。
最後にレンズの機構面の動作チェックを行います。絞り羽根、絞り羽根のオート/マニュアル切り替えダイヤルはスムーズに動作しています。フォーカスリングはトルク感も適度でスムースに動きます。フィルタ装着も問題ありません。

このレンズがどのような写りをしてくれるのでしょうか。実写が楽しみです!

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