【整備】EBC FUJINON 55mm F1.8 (Serial No. 664194)

今回は EBC FUJINON 55mm F1.8 を整備しました。

■外観

■機構

  • フォーカス調整機構:整備済み(ヘリコイドの重さを調整しました)
  • 絞り羽根調整機構 :問題なし
  • レンズフィルタ装着:問題なし
    ※XCSOURCE社製ステップアップリングが装着可能であることを確認しています。
  • 自動絞り機構     :未確認
    ※動作検証用のカメラ機材を持ち合わせていないためカメラに装着した連動確認は出来ていません。自動絞り機構を手動で動作させた限りでは正常に動作していると思われます。

■光学系

  • カビ      :除去済み(後玉1枚目、後玉2枚目周辺部に若干のカビ痕あり)
  • くもり     :なし
  • キズ      :前玉1枚目に若干の拭きキズあり
  • バルサム切れ  :なし
  • コーティング劣化:なし

※「なし」の項目について微細なものの見落としがある可能性がありますが、ご了承ください。
※上記詳細は以下の整備記録をご確認ください。
※上記状況について実写テストを行いました。実写テストにおいては撮影への影響は見られませんでした。

まずはレンズの状態をチェックします。前玉側、後玉側ともにカビと汚れが付着しています。
まずは前玉側から整備します。フィルタ枠を留めている芋ネジを緩め、フィルタ枠を反時計回りに回して取り外します。
ゴム治具を使って1枚目のレンズを取り出します。
1枚目のレンズです。結構な量のカビと汚れが付着しています。レンズを中性洗剤で洗浄後にレンズクリーナーとクロスで磨いたところ、カビと汚れはほぼ取れましたがレンズ表面に細かい拭きキズが出てきました。1枚目のレンズなので拭きキズの撮影への影響はほぼ無いと思われますが、念のため実写テストで確認します。
2枚目のレンズは鏡筒内のレンズ押さえリングが固着していて取り外せないため、鏡筒に組み込まれた状態で整備します。ゴム治具を使って後玉群レンズユニットを取り外し、前玉側2枚目のレンズの裏側にアクセスできるようにします。かなりの量のカビと汚れが付着しています。
2枚目レンズの表面、裏面をレンズクリーナーとクロスで丹念に磨いたところ、綺麗な状態にすることができました。
鏡筒内部を清掃し、1枚目のレンズを組み込んで前玉側の整備は終了です。
続いて後玉側の整備を行います。カニ目レンチを使って痕玉群レンズユニットを分解します。レンズは2枚構成です。2枚目のレンズは押さえリングが固着していたためレンズユニットに組み込まれた状態で整備します。
1枚目のレンズです。若干の汚れとカビが付着しています。中性洗剤で洗浄後にレンズクリーナーとクロスで磨き、かなり綺麗になりましたが若干のカビ痕が残りました。カビ痕の撮影への影響は実写テストで確認します。
2枚目のレンズはカビがびっしりと付着しています。かなりの難航が予想されましたがレンズクリーナーとクロスで丹念に磨いたところ、周辺部のわずかなカビ痕を除いて取り除くことができました。カビ痕の撮影への影響は実写テストで確認します。
後玉群レンズユニットにレンズを組み込みます。
鏡筒内部を清掃後に後玉群レンズを組み込んでレンズの整備は終了です。
フォーカスリングがかなり重めだったので、ヘリコイドの整備を行います。フォーカスリングを固定している3本のネジを外してフォーカスリングを取り外し、ヘイコイドに付着している古いグリスと汚れをクリーナー剤を使って取り除いた後、新しいグリスを塗布してヘリコイドを繰り返し往復させてグリスを馴染ませます。
グリスが十分に馴染んだところでフォーカスリングとフィルタ枠を取り付けます。
最後にレンズの外側を清掃して作業完了です。

最後にレンズの機構面のチェックをします。フォーカス調整ダイヤルは重さも適度でスムーズに回ります。絞り羽根もスムーズに動作しています。フィルタ装着も問題ありません。

このレンズがどのような写りをしてくれるのでしょうか。実写が楽しみです!

1件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です