【整備】CANON LENS FL 50mm F1.8 Ⅱ型 (Serial No. 826707)

今回は CANON LENS FL 50mm F1.8 Ⅱ型 を整備しました。

■外観

■機構

  • フォーカス調整機構:問題なし
  • 絞り羽根調整機構 :問題なし
  • レンズフィルタ装着:整備済み(フィルタ枠に軽度の打ち身があり、フィルタが装着可能な状態までフィルタ枠を修復しました)
  • 自動絞り機構   :未確認
    ※動作検証用のカメラ機材を持ち合わせていないためカメラに装着した連動確認は出来ていません。自動絞り機構を手動で動作させた限りでは正常に動作していると思われます。

■光学系

  • カビ・ちり・汚れ:除去済み(前玉に細かいカビ痕、後玉に軽度のカビ痕あり)
  • くもり     :前玉に部分的に軽度のくもりあり
  • キズ      :なし
  • バルサム切れ  :なし
  • コーティング劣化:なし

※「なし」の項目について微細なものの見落としがある可能性がありますが、ご了承ください。
※上記詳細は以下の整備記録をご確認ください。
※上記状況について実写テストを行いました。実写テストにおいては撮影への明確な影響は見られませんでした。

このレンズにはフィルタ枠に打ち身による軽度の歪みがあり、フィルタが装着できない状態でした。フィルター枠修理ツールを使ってフィルター装着ができるレベルまで歪みを補正しました。
フィルタ枠の歪みを補正後、機構面の動作チェックを行います。フォーカスリングはトルク感も適度でスムースに動きます。絞り羽根、絞り羽根のオート/マニュアル切り替えダイヤルもスムーズに動作しています。フィルタ装着も問題無く装着できるようになりました。
続いてレンズの状態をチェックします。量は多くはありませんが前玉、後玉ともにカビと汚れが付着しています。
まずは前玉側を整備します。ゴム治具を使って化粧リングとフィルタ枠をはずし、前玉群レンズユニットを取り出します。
レンズユニットの前玉を押さえているリングが接着剤で固定されていたのでアセトンで接着剤を溶かした後、カニ目レンチでレンズユニットを分解します。レンズは2枚構成です。
1枚目のレンズです。カビと汚れが付着しています。レンズクリーナーとクロスで清掃しかなりのカビと汚れを取り除きましたが、細かいカビ痕と一部にごく薄いくもり状の痕が残りました。これらの撮影への影響は実写テストで確認します。
2枚目のレンズです。こちらはかなり綺麗な状態です。レンズクリーナーとクロスで清掃し、わずかに付着していた汚れを取り除きました。
前玉群レンズユニットを清掃し、レンズを組み込みます。
鏡筒内部を清掃し、前玉群レンズユニットと中性洗剤で洗浄しておいたフィルタ枠、化粧リングを組み込んで前玉側の整備は終了です 。
続いて後玉側の整備を行います。後玉側の整備がしやすいよう、マウント押さえリングとマウント部のカバーを取り外します。
カニ目レンチを使って後玉側のレンズを取り出します。レンズは2枚構成です。
マウント側のレンズです。そこそこの量のカビと汚れが付着しています。レンズクリーナーとクロスで清掃し、細かいカビ痕を除いて綺麗な状態にすることができました。
絞り羽根側のレンズです。こちらにも汚れが付着しています。レンズクリーナーとクロスで清掃したところ、綺麗な状態にすることができました。
鏡筒内部を清掃し、後玉側のレンズと中性洗剤で洗浄しておいたマウントカバー、マウント押さえリングを組み込みます。
最後にマウント固定用ダイヤルを組み込み、レンズの外側を清掃して整備完了です。

このレンズがどのような写りをしてくれるのでしょうか。実写が楽しみです!

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