【整備】Olympus E.Zuiko Auto-T 100mm F3.5 (Serial No. 118773)

今回は Olympus E.Zuiko Auto-T 100mm F3.5を整備しました。

■外観

■機構

  • フォーカス調整機構:問題なし
  • 絞り羽根調整機構 :問題なし (絞り羽根に粘りがあり、簡易除去作業実施)
  • レンズフィルタ装着:問題なし
    ※Kenko SKYLIGHTレンズフィルタが装着可能であることを確認しています。
  • 自動絞り機構     :未確認
    ※動作検証用のカメラ機材を持ち合わせていないためカメラに装着した連動確認は出来ていません。自動絞り機構を手動で動作させた限りでは正常に動作していると思われます。

■光学系

  • カビ・ちり・汚れ:除去済み(軽微なカビ痕あり)
  • くもり     :なし
  • キズ      :前玉に軽度の拭きキズあり
  • バルサム切れ  :なし
  • コーティング劣化:なし

※「なし」の項目について微細なものの見落としがある可能性がありますが、ご了承ください。
※上記詳細は以下の整備記録をご確認ください。
※上記状況について実写テストを行いました。実写テストにおいては撮影への明確な影響は見られませんでした。

まずはフォーカス調整機構と絞り羽根調整機構の動作チェックから。フォーカスリングはトルク感も適度でスムースに動きますが、絞り羽根に粘りがあり整備が必要です。
まずは前玉群を整備します。ゴム治具を使って前玉群ユニットを取り出し・分解しました。レンズは3枚構成ですが、2枚目・3枚目のユニット部分の固着がきつく、分解は一旦見送りました。
固着がきつかった2枚目・3枚目のレンズユニット部ですが、レンズの状態を確認したところレンズユニット内部にはカビ・汚れが無さそうでしたので試しに2枚目の表面と3枚目の裏面をレンズクリーナーとクロスで磨いたところ、綺麗な状態になりました。これは朗報です。
※赤い点は照明の映り込みです。
1枚目のレンズはかなりの量のカビと汚れが付着しています。レンズクリーナーとクロスで磨いて一部カビ痕が残りましたがカビと汚れを取り除くことができました。レンズが綺麗になったため、汚れの下に隠れていた軽度の拭きキズが現れました。カビ痕と拭きキズの撮影への影響は実写テストで確認します。
前玉群ユニットケースを清掃し、レンズを組み込みます。
前玉群レンズユニットを組み込む前に絞り羽根の粘りを対処します。絞り羽根にクリーナー液を注入し、浮き出してくる油分を綿棒で拭き取ります。上記を絞り羽根の動作が正常になるまで何度か繰り返しました。
続いて後玉側を整備します。若干のカビと汚れのためレンズ分解による鏡筒や後玉群レンズユニットへの負荷を考慮し、レンズが鏡筒に組み込まれた状態のまま整備します。マウント側、絞り羽根側のレンズ面をレンズクリーナーとクロスで清掃しました。取り切れない細かいチリが残りましたが、綺麗な状態になりました。
最後に鏡筒内部を清掃&前玉群レンズユニットを組み込み、レンズの外側を清掃して整備完了です。
一通り整備が終わったとこで絞り羽根調整機構の動作チェックを行います。整備の結果、正常に動作しています。

このレンズがどのような写りをしてくれるのでしょうか。実写が楽しみです!

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