【整備】PETRI C.C. Auto 55mm F1.8 (Serial No. 539873)

今回は PETRI C.C. Auto 55mm F1.8 を整備しました。

■外観

■機構

  • フォーカス調整機構:整備済み(ヘリコイドの重さを調整しました)
  • 絞り羽根調整機構 :問題なし(クリック無しタイプの絞りリングをクリックありのものに交換しました)
  • レンズフィルタ装着:問題なし
    ※XCSOURCE社製ステップアップリングが装着可能であることを確認しています。
  • 自動絞り機構     :未確認
    ※動作検証用のカメラ機材を持ち合わせていないためカメラに装着した連動確認は出来ていません。自動絞り機構を手動で動作させた限りでは正常に動作していると思われます。

■光学系

  • カビ・汚れ   :除去済み
  • くもり     :なし
  • キズ      :なし
  • バルサム切れ  :なし
  • コーティング劣化:なし

※「なし」の項目について微細なものの見落としがある可能性がありますが、ご了承ください。
※上記詳細は以下の整備記録をご確認ください。
※上記状況について実写テストを行いました。実写テストにおいては撮影への影響は見られませんでした。

 このレンズの絞りリングは絞り値のクリック溝が切られていないタイプのため、クリック感を出すため同型のクリック溝が切られている絞りリングに交換することにしました。
 またヘリコイドの回転ムラがあるためヘリコイドの清掃およびグリス塗布を行うことにしました。

絞りリングを取り外すため、まずはマウントリングを取り外します。
マウントリングを押さえているネジのうち1本は突起を持つ特殊な構造をしているため、小型のマイナスドライバーを改造した自作の工具を使用して取り外しています。
絞りのオート/マニュアル切り替えダイヤルの連動ピンを外した後、マウントカバーとオート/マニュアル切り替えダイヤルを取り外します。
絞りリングの連動ピンを取り外し、鏡筒に取り付けられている2本の絞りリングの可動域を制限しているネジを取り外して絞りリングを取り外します。
続いてヘリコイド整備のためフォーカス調整ダイヤルを取り外します。フィルタ枠を反時計回りに回転させて取り外し、フォーカス調整ダイヤルを固定しているネジをはずしてフォーカス調整ダイヤルを取り出します。
ヘリコイドに付着している古いグリスと汚れをクリーニング剤と綿棒を使って取り除きます。
ヘリコイドへのグリス塗布作業に先立ち絞りリングを取り付けます。あらかじめ別のレンズから取り外しておいたクリック溝付きの絞りリングを先ほどと逆の順序で取り付けます。
※オート/マニュアル切り替えダイヤルは「A」の位置に設定後、マウントカバーを取り付けます。
ヘリコイドにグリスを塗布後にヘリコイドを回転させ、グリスを馴染ませます。
グリスが十分に馴染んだところでフォーカス調整ダイヤルとフィルタ枠を取り付け、ヘリコイドの整備は終了です。
続いてレンズの整備を行います。細かい汚れが付着していますが、状態は悪くは無さそうです。
前玉の表面と後玉の裏面をレンズクリーナーとクロスで清掃したところ、かなり綺麗な状態になりましたが後玉側に目立つゴミと点カビと思われる汚れが見受けられるため後玉側の清掃を行います。
ゴム治具で後玉の押さえリングを取り外し、後玉のレンズを取り出します。
後玉1枚目のレンズです。若干のカビと汚れが付着しています。レンズクリーナーとクロスで清掃し、取り切れないわずかなカビ痕を除いて綺麗になりました。
他のレンズは綺麗な状態であったため、レンズおよび鏡筒への負荷を考慮し分解清掃は見送りました。後玉のレンズを組み込みレンズの整備は終了です。
最後にレンズの外側を清掃して作業完了です。

最後にレンズの機構面のチェックをします。フォーカス調整ダイヤルは重さも適度でスムーズに回ります。交換した絞りリングもクリック感はやや薄いですがクリックしており、絞り羽根もスムーズに動作しています。フィルタ装着も問題ありません。

このレンズがどのような写りをしてくれるのでしょうか。実写が楽しみです!

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